『高野聖』泉鏡花 

深い山の中の孤家(ひとつや)に住む婦人(をんな)は近づく男たちを獣にする。高野の旅僧が語る怪異。asin:4101056013 泉鏡花を読むのは初めて。内容もさることながら、まづ文章(文体)に楽しませてもらつた。日ごろ日本語教科書の味気ない文ばかり目にし…

辞書

高島俊男氏のエッセイを寝る前に少しずつ読んでいる。碩学とはこういう人のことだったのかと思う。(ふと、「高島俊男+碩学」でGoogle検索してみると、51件)。 『お言葉ですが…〈3〉』*1の中に、「国語辞典というものはたいがい、それまでにある辞書の記載…

『台湾の家庭生活』池田敏雄(ISBN:9576382157)

奥付を見ると、「1944年8月台北初版発行」「1994年9月台北二刷発行」とある。出版社は台北の南天書局有限公司。いわゆる「日本時代」に出版された本の復刻版か。当時の台湾の生活、風習を丁寧に記述してある。 「食事の作法と豫兆」という項がおもしろい。少…

最近読んだもの。 『漢字と日本人』高島俊男(ASIN:4166601989) 『ゴシップ的日本語論』丸谷才一(ASIN:4163659307) 『万葉集』大岡信(ASIN:4002602745) いつも台中の紀伊國屋でまとめて注文するので、先にぱらぱらと立ち読みしたりすることはできないの…

写真集『九份往事』鄭桑溪

http://www.chinesenet.com.tw/chinesephoto/main/library/sell/book/b20.htm 侯孝賢の映画『悲情城市』の舞台となった九份の写真集(1959〜1966年ごろ)。映画は二二八事件が起こった1947年前後の話。 正直、現在の九份は安易に「観光地化」してしまってい…

『台湾総統列伝』本田善彦 ASIN:4121501322

台中の紀伊國屋で。蔣介石から陳水扁までの歴代総統を通して描く台湾現代史。 あまり知られていない蔣經國の功績、“壊れていく”李登輝、陳水扁政権の誕生と迷走など、複雑極まる台湾の状況が丁寧にわかりやすく記述されていて、非常に勉強になる。 著者は台…

『外国人に教える日本語文法入門』

『外国人に教える日本語文法入門 日本語ノート活用法』 江副隆秀 創拓社 ASIN:4871380580 本棚の整理をしていて、久しぶりに手にとった。自分が日本語教師になるとはまだ思ってもいなかったころにシアトルの紀伊國屋で買ったもの。$17.20という値札がなつか…

『国文学入門−日本文学への招待―』ASIN:4595132158 放送大学のテキスト。章ごとに執筆者が違う。上代、平安と、なんとなくゴタゴタしていて、なかなか頭に入らなかったのだけれど、中世に入ってから途端に読みやすくなる。島内裕子という方が書いている。 『…

国語便覧

『クリアカラー国語便覧』監修:青木 五郎, 坪内 稔典, 武久 堅, 浜本 純逸 ASIN:4410338315 クラスで日本関係のいろいろな写真を見せたかったので、台中・紀伊国屋で注文。日本の高校生向けの教材とあって、それほど詳しい記述はないものの、非常に便利。古…

『日本文学史』小西 甚一 ASIN:4061590901

文庫本のカバーに「『幻の名著』の待望の復刊」とある。昭和28年に刊行されたものらしい。移動中のバスの中で読む。自分には「名著」かどうかはわからないのだけれど、いろいろ勉強になること多し。

『マルドゥック・スクランブル』冲方丁

時間に余裕ができたら、SFを読みたいなあと思って、買っておいた3冊を週末に一気に読む。 『マルドゥック・スクランブル The First Compression―圧縮』 『マルドゥック・スクランブル The Second Combustion―燃焼』 『マルドゥック・スクランブル The Thi…

日本史勉強中

高校でも日本史を勉強したことがなく、歴史小説などもあまり読んでこなかったので、知らないことばかり。 『日本神話』上田正明著(岩波新書)ASIN:4004130883 文学史の教科書に「(古事記の編纂に際し)天武天皇は帝記や本辞を稗田阿礼に誦み習わせた」とあ…

村上春樹

自分は村上春樹を本屋で立ち読みしていて「発見した」。高校時代授業をさぼって本屋で立ち読みしてた頃があって(苦笑。古典の授業です)、その時『風の歌を聴け』のハードカバーを偶然手に取ったのが最初。こんなおもしろい作家を知っているのはオレだけじ…

写真日記(写真日記本棚)

自分の本棚ではなく台湾の本屋さんの本棚。台中・三越9Fにある書店の「日本文学」コーナーの村上春樹の作品が並んでいる部分。 id:QianChong:20040409#p2 こちらで、「非常村上」というフレーズを知ったところだったので、思わず写真を撮ってしまいました。…

台北から帰る高速バスの中で読んだ本。 『ウィタ・セクスアリス』 森鷗外 ASIN:4003100530 岩波文庫では「ヰタ」ではなく「ウイタ」と表記してある・・・。 この時代の「硬派」というのは「女色」には興味がなく、少年を追いかけ回していたというは知らなか…

写真日記(写真日記本棚)

2回目です。 『日本語尾音索引(普及版)』*1。灰色の本。 今の仕事を始めたばかりのころ、「浪人(にん)」「老人(じん)」など、「人」を「にん」と読む場合と「じん」と読む場合の判別法を聞かれて、うまく答えられなかったので、リストを作ってみようと…

写真日記(写真日記本棚)

おもしろいので、自分も参加。 自分は文庫本をポケットに入れて持ち歩いたりして、扱いが雑なので、本がボロボロになっちゃってます。 変わったところでは、大学時代のテキスト。 Vito Russo, The Celluloid Closet: Homosexuality in the Movies*1 Andrea W…

最近読んだもの

日本で買い込んできたものを少しずつ消化中。 「古典の森へ」田辺聖子・工藤直子(ASIN:4087497844) 田辺聖子が本当に古典をおもしろがり、楽しんでいるのが伝わり、自分もつられて読みたくなってくる。古典初心者には、文法その他の知識よりも、とにかく「お…

『ひらがな日本美術史』橋本治*2

いろいろな写真をこちらの生徒に見せたかったので、今回思い切って5巻までまとめて買ってきた。しかし、自分の無知に驚くばかり。正直に書いておく。自分は運慶の「無著菩薩・世親菩薩立像」をこの本の写真で初めて見た。そして圧倒されてしまった。なんて「…

『風之谷』1〜7(ISBN:9576431727)

『風の谷のナウシカ』の中国語版。日本徳間書店正式授権作品、台湾香港中文版とある。1995年10月に初版第1刷発行、自分が買ったのには2002年6月の初版第3刷とある。売れてるのだろうか。 紙や装丁も日本のオリジナル版とほとんど同じ。作中の擬音が中国語に…

『輝く日の宮』*2 読了

実は、これが『源氏物語』に関する話だとは途中まで気づかなかった(汗)。書評なども全く読んでなかったし、日本の妹に頼んで送ってもらった本の一冊なので、本屋で自分で手にとったりもしてなかったから・・・。といっても、題名で気づきそうなものなのに。…

「潜る」西原理恵子インタビュー Yahoo!ブックス

(id:yukatti:20031222#p1経由) ――執筆時の高揚というのは、躁状態に近い? 「いえ、そういうのとは違います。自分では『潜る』という表現を使うんですが、息を止めてじーっと水の底にいるようなイメージ。」 yukattiさんの「香雪ジャーナル」で、この「潜…

最近買った本

紀伊国屋・台中そごう店でいつも買っているんだけど、日本で買うよりもかなり割高。 『ぼくのプレミア・ライフ』ニック・ホーンビィ 森田義信訳(新潮文庫)ASIN:4102202129 定価667円(327元) 『やまとことば 美しい日本語を究める』河出書房新社編集部編…