最近読んだもの

日本で買い込んできたものを少しずつ消化中。

田辺聖子が本当に古典をおもしろがり、楽しんでいるのが伝わり、自分もつられて読みたくなってくる。古典初心者には、文法その他の知識よりも、とにかく「おもしろいんだ」と言ってくれる人、楽しみ方を教えてくれる人が必要だなあ。自分の古典の教師がこんな人だったらよかったのにと思う。
少し前にどなたかの日記のコメント欄で高校の国語教師についてのやりとりがあって(探してみたら、こちらでした。id:mutronix:20040116)、自分も高校時代のことを思い出した。
「勉強に集中できなくなるから太宰なんて読んじゃいけない」と、自分が高校1年の時の国語教師。「興味があるなら、大学に合格した後で、読みなさい」と真顔で言ってた。「何言ってんだ、この人は?」と唖然としたことを今でもはっきり覚えている。それ以来、学校の国語の授業に関して興味を持てなくなった。実際、自分の好奇心を刺激してくれるような授業は皆無だったし。古典のクラスなんてサボって学校抜け出して近所の本屋で立ち読みしてた。
なぜ古典を読むのか? 「おもしろいからだよ」と言ってくれる人が身近にいればなあ。自分はずいぶん遠回りしてる。

かな書き、和漢混交文などの表記(文体)の問題からの解説。非常にわかりやすい。また、「源実朝は「おたく青年」の元祖」(p140)の項での鎌倉幕府を田舎の中小企業になぞらえた記述には笑った。実朝についての本をもっと読んでみようと思う。

「形容詞と形容動詞は本質的に同じ」(p97)など勉強になること多し。