辞書

高島俊男氏のエッセイを寝る前に少しずつ読んでいる。碩学とはこういう人のことだったのかと思う。(ふと、「高島俊男碩学」でGoogle検索してみると、51件)。
お言葉ですが…〈3〉』*1の中に、「国語辞典というものはたいがい、それまでにある辞書の記載をまるまる拝借したり、チョイチョイと表現を変えたりして作られる(「しっかりせんかい日本の辞書」)」とあったが、外国語の辞書だとなおさらそうなるだろう。というか、外国語の辞書の場合、そのもとの言語の辞書を参照して作るだろうから当然そうなるのかな。
台湾の日本語学習者がよく使っている『新時代日漢辭典』(大新書局)を見ていると、日本の『新明解国語辞典』の用例と同じものがよく出て来る。今日見つけたのは

  • 「てば」 おもしろいっ〜、これもおもしろいわよ/本〜、まだお代が払ってなかったわね/あなたっ〜電話ぐらいくれてもいいのに/ねえ、頂戴っ〜/捜せばあるっ〜/

これだけの用例、まるまる『新明解(第四版)』に全く同じ文が載っている。他にも、パラパラとめくってみると、

  • 「そうそう」 〜、いつかの千円を返してくれないか/
  • 「うるおい」 わずかの金でも家計の〜になる/

いくらでも見つかる。『新時代日漢辭典』の編集者はよほど『新明解』がお気に入りだと見える。

*1:お言葉ですが…〈3〉明治タレント教授』ASIN:4167598043