『外国人に教える日本語文法入門』

  • 『外国人に教える日本語文法入門 日本語ノート活用法』 江副隆秀   創拓社 ASIN:4871380580

本棚の整理をしていて、久しぶりに手にとった。自分が日本語教師になるとはまだ思ってもいなかったころにシアトルの紀伊國屋で買ったもの。$17.20という値札がなつかしい(定価1236円)。クラスで使う動詞の活用表の作り方など、大いに参考にさせてもらった。
文法だけでなく、教授法の歴史、日本語教師の心得など幅広い内容をカバーしている。が、それゆえに一冊の本としては焦点が定まっていないようにも感じる。この本を初めて読んだ時の自分のような予備知識がゼロの人にはわかりづらいかもしれない。教室で何回か冷や汗をかいた後に読むと非常にありがたいことが書いてあることに気づく。
今回ページをめくっていて、大きくうなづいた部分。

日本語教師がうわさ話をしていて「かわいい子がクラスにいるの」とか「今度入った子、理解力ゼロよ」など、耳に入ったりすることがある。そんなとき、つい「そんな会話より自分の技量をあげたらいいのに」と冷たく思ってしまう。(中略)学生の学習は学生に問題があるのではなく、教師の教え方でどうにでもなるということだ。
『外国人に教える日本語文法入門』(p71)

特に自分のような塾講師の場合、学生の評価をする必要もなく、授業の内容だけに集中できるので、こちらが知恵を絞って工夫すればかなりの割合で反応が返ってくるものです。