『台湾の家庭生活』池田敏雄(ISBN:9576382157)

奥付を見ると、「1944年8月台北初版発行」「1994年9月台北二刷発行」とある。出版社は台北南天書局有限公司。いわゆる「日本時代」に出版された本の復刻版か。当時の台湾の生活、風習を丁寧に記述してある。
「食事の作法と豫兆」という項がおもしろい。少し抜き出してみる。

  • 箸で茶碗や卓を叩いてはいけない。飯神(プンシン)の祟りを受ける。
  • おしやべりしながら食事をしてはいけない。俗に猫先(注:振り仮名が読めない)だと云ふ。
  • 兩臂を卓上について食事をすることを鴟鶚披身(パアヒヲピイシエン)[鳶が翼を擴げた樣]と云ひ、禁じられてゐる。
  • 足を椅子の上に立てて食事をすると鱸鰻呆(ロオモバイ)[無賴漢の眞似]だと云ふ。
  • 飯粒を落とすと雷に打たれる。  その他

両肘をついて食事するというのは、今の台湾では「普通の光景」なのですが、これは時代とともに変わっちゃったのかな。