[台湾]げっぷとしゃっくり。

中国語では、日本語の「げっぷ」と「しゃっくり」を区別しない。どちらも、「打隔」という。
今まで何度かクラスでこの二つを説明しなければならない状況になったことがあるが、「げっぷは胃の中のガスで、しゃっくりは横隔膜の痙攣・・・」などと説明しても、きょとんとするだけで、すぐに「わかった」と言ってくれる生徒はほとんどいなかった。中国語「打隔」の意味範囲を更に分割する必然性が理解できないのだろうと思う。「打隔」は「打隔」。
自分としては、これほど明らかに違うものが、どうして一つの言葉で事足りるのかが信じられなくて、なんとか身振り手振りで違いを伝えようとするのだけれど、「だから何?」といった反応や、「あー、食後の「打隔」が「げっぷ」なのね?」といった、理解してるのかしてないのかよくわからないコメントが出る。
でも、日本に留学しようという若い女の子が授業中に平然とげっぷしちゃうようじゃ、さすがにまずいと思うので、日本に行ったらしないほうがいいよとは言うのだけれど・・・。
「先生、でも「打隔」はコントロールできませんよ」と反論される。いや、確かにしゃっくりは無理だと思うけどね、げっぷの場合はできるでしょう? 「できませんよー!無理ですよ」。
今まで一度も「げっぷを抑える」ということをやったことがないのでしょう。それどころか、そんなこと考えたことさえないのでしょう。
日本では「げっぷ」は行儀悪いというか、下品というか、あまりよくないイメージがあるから。「でも、先生、日本人がラーメン食べる時の音のほうがよっぽど下品ですよ!」とのこと。彼女の留学生活がうまくいきますように・・・。