教案について。簡単な返信

前回の日記にコメントをいただいたので、簡単な返信を。
「波平さんへ」さんへ。
具体的な教案を見ての対話でもないし、「波平さんへ」さんがどのような教案をお書きになつてゐるのかがわからないので、答へにくい点もあるのですが、といふ前置きで。
私は「教案通りに授業が構成できたのか」といふ点には、あまり重きをおいてをりません。自分が事前に考へておいた段取りが、実際にはあまり有効ではないと授業の途中で気づく場合もあります。さうした時には、当初の教案を捨ててアドリブでやつてしまふこともあり得ます。「捨てる」といふのは極端な場合ですが、教師が一人で話すのではなく、学習者の反応、理解の程度などを見ながら進めるわけですから、「教案通りにやる」ことにはこだはりません。
ですから、自分の反省点としては先づ「その日の学習者に適した教案が書けてゐたか」といふことになると思ひます。導入の方法はよかつたのか、ドリルなどの難易度や順序、量に問題はなかつたのか、またはキューの出し方はこれでよかつたのか等を考へながら次のクラスの教案を書くことになります。自分の場合、次の教案を書くことが、前の授業のチェックになると考へますがどうでせうか。また、失敗したり、新たな発見があつたりした時などは、その日の教案にメモをしておきます。『みんなの日本語』などの定番教科書の場合は、さうしたメモ付きの過去の教案がたくさん残つてゐるので、新しい教案を書く時にはこれも参照します。
もちろん、自分が意図してゐたことが学習者にきちんと伝わつてゐるのかどうか等といつたことは教師の自己評価だけでは何とも言へないでせうから、できれば第三者に授業見学してもらつてチェックしてもらふのが理想的だとは思ひますが。