426機場衝突

四月二十六日、連戦・国民党主席の訪中に際し、中正空港で「親中派」と「独立派」の衝突が起きました。(参考「台湾の空港、流血騒ぎ」東京新聞
この日たまたま自分も妹を送りに空港に来てゐて、騒動の一部を目にすることになりました。と言つても、午後から仕事があつたため、午前九時半ごろには空港を後にしたので「流血」の現場に居合はせた訣ではありません。が、とりあへず自分が見た空港の様子を書いておきます。
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朝七時ごろに第二ターミナルに着いたのだが、その時には既に棒や盾を持つた警官隊が多数配備されてゐた。みな若い。まだ十代ではないだらうか。
ここに先づ現れたのは連戦・支持派の方々。前日テレビのニュースで反対派が「生卵投げの練習」をしてゐる様子などが放映されたこともあつてか、主席を護ると息巻いてゐる。
その後、選挙区(?)の地域名が書かれたプラカードを先頭に、続々と支持派の団体が正面入口の外に集結。「不独不武永保和平」といふ横断幕や数々のプラカードを掲げ、加へてマーチングバンドのドラム隊のやうな一団が演奏を始める。にぎやかになつてきた。プラカードの標的は独立派・李登輝(台聯党)。「日本の犬!」やら「●八●」やら、ひどい書かれ様だ。驚いたのは、この支持派におば様や年配の方々が多いこと。まあ平日の午前中だからだらうが。若い警官隊と対照的。

支持派のプラカードを破つた人がゐて、袋叩きに遭ひさうになつたが、警官隊が迅速に対処。しかし、カメラが多い。先ほどの小競り合ひでも、動いてゐる人間の半数以上は報道関係者だつた。太鼓の音とカメラのフラッシュにみな煽られてきてゐる。
ここで緑色の反対派集団が入場。九時前ごろ。正面入口は支持派集団で固められてゐるため、エスカレーターで下の階から上がつて来た。どういふ訣か警官隊が、正面入口からチェックイン・カウンターの間を通つて手荷物検査へ進む空間を完全封鎖。素人考へでは、この空間から人を排除するのが普通のやうに思へるのだが、逆に群集をそこに閉じ込めた形になつてゐる。その中で支持派・反対派が入り乱れてぐちやぐちやに(写真)。ここに入ることも出ることも禁じられた。この密集地帯の左右はがらんとしてゐてほとんど人はゐないのだ。暇さうな空港職員が遠巻きに眺めてゐる。それなのに、ヤル気まんまんの人たちをこんなふうに密集させておくのは危険だ。何か起こらないはずがない……。
自分はこの時点で退散したのだが、帰つた後に見たニュースによると、生卵や石(!)が飛び交ふ大騒動になつた模様。