痛み

暑い、暑い。ここ数日朝八時ごろにはもう三十度。
今日はクラスで少し「痛み」に関する擬態語の説明をする。「頭ががんがん痛い」とか「胃がきりきり痛む」「しくしく痛む」「ずきずき痛む」のやうなもの。かういふ感覚的な語彙は、一応説明はできても、理解してもらへるものなのかどうか。身振り手振りを交へながら、「ずきずき」は脈打つやうな痛さで、「きりきり」は針で刺されたやうな鋭い痛み……、などと説明してゐると、突然一人の女の子が、
「先生、女性の生理の時の痛みはどれですか」
「え……。いや、その、経験したことがないので、そればつかりは……」
「たぶん、黒板に書いてあるもの全部ですよ」と別の女の子。
今日の生徒は全員女性。からかはれたのでせうか。