入手

聴解問題の中に「手を加へる」といふ言葉が出てきたので、序に「手」に関する慣用表現をいくつか教へる。

  1. 前から欲しかつたCDをやつと手に___。
  2. この家具の装飾はなかなか手が___ゐる。
  3. 電子辞典が欲しいけど、高くて手が___。

このやうな問題を十問ほどつくり、選択肢をつけてやらせてみたのだけれど、授業としては面白みに欠けたか。たんたんと問題を消化しただけで、うまく膨らませることができなかつた。「あなたにとつて、欲しいけど高くて手が出ないものは何ですか」などといふ質問を付け加へてみたものの、反応は今ひとつ。
かうした慣用句に限らず、新しい語彙をまとめて教へなければならない場合、ただ列挙して説明するのではなく、他の活動との関連付けがないと定着は難しい。今日はちよつと失敗……。問題作るのは時間かかるんだけどな。


ところで、台湾の若い人たちの間で、「入手」といふ新しい表現が使はれてゐると聞いた。これは日本語の「手に入れる」「入手する」からの外来語で、本来の北京語(中国語)には「入手」といふ言葉はないさうだ。
さういへば、確か三年ほど前にアニメ好きの生徒から、台湾のアニメ関連の掲示板でこの「入手」を目にしたといふ目撃談を聞いたことがあつたが、今回はクラスの生徒全員が知つてゐた。徐々に広まつてゐるやうだ。