少し? いっぱいになる

スターバックスでラテを作つてくれた店員さんが、カップをこちらに渡す時、かう言つた。

小心。有點滿了。

泡が山盛りになり、溢れさうだつたので「(持つ時)注意してね。いつぱいになつちやつたから」といふことなのだらうが、「あれ?」と思ふ。
「滿了」は漢字を見ての通り、「いつぱいになる」で、それに「少し」といふ意味の「有點」がついてゐる。少しいつぱいになる?
理屈で考へると変な感じがするが、かういふ表現もあるのか。
これで思ひ出したのが、日本語の「なさすぎ」といふ言ひ回し(「あの人は思ひやりがなさすぎ」)。『日本人の英語』*1の中で、アメリカ人の考へ方では理解できない表現として挙げてあつた。「少なすぎる」といふのならわかるが、「ない」は「ゼロ」だらう。どうして「ゼロ」に度合ひがあるのかと。
『日本人の英語』は台湾に来てから手にしたので、自分の英語の上達のためといふより、言葉をどう教へるかといふ視点で読んだ。著者は長年日本人学生の英作文の指導をしてきた方。その解説はわかりやすく、「目から鱗」の連続。冠詞の用法、時制の説明方法などこの本で初めて知つたことも多かつた。
さて、自分。台湾の学生にこの本のように明解に日本語を教へられるのか。

*1:

日本人の英語 (岩波新書)

日本人の英語 (岩波新書)