短歌日記 百人一首



春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山     持統天皇


この有名な歌が、夏ではなく冬の歌だとする説があることを知る。
鈴木邦夫氏のサイトで紹介されていたのを偶然見つけた(今週の主張・2004年3月8日謎解き・万葉集 =「衣ほすてふ天の香具山」の秘密=)。
「白妙の衣」とは、山に降った雪の見立てだということらしい。おもしろいと思う。
以下、孫引きになるが、中西進氏の説を貼っておく。

持統天皇の名歌「春すぎて夏来るらし白妙の衣ほしたり天の香具山」は、雪で白くなった香具山を見て、「あら冬どころか春もすぎて夏が来たらしいわ。まっ白な衣をほしている」と戯れた歌らしいのである。初夏の鮮やかな風景、夏の爽やかな到来などと受け取りたくても、山に衣をほすという歌を古歌から拾い出してみると、みんな雪になってしまうのだから仕方ない
『謎に迫る古代史講座』(PHP研究所ASIN:4569623840

鈴木氏のサイトに詳しいが、鈴木氏が尋ねてみた数人の「専門家」はこの説を言下に否定したとのこと。
研究者でもない自分にとっては、「一粒で二度おいしい」ぐらいに思っておこう。