S校

  1. みんなの日本語』第17課(3回目)「ない形+なくてもいいです」の導入から各種ドリル。
  2. みんなの日本語』第25課(3回目)「て形+も」のドリル。

1 結婚したら、仕事を辞めます。(○)
2 結婚しても、仕事を辞めません。(○)
3 結婚したら、仕事を辞めません。(×)
上の1と2はいいのに、どうして3はダメなのかとよく質問される。中国語では3のような表現も可能だと言う。この仕事をしてると、母語として日本語を使ってきた自分には思いもよらぬ視点から日本語を考えることができて、非常におもしろい。しかし、その説明を可能な限り易しい言葉でシンプルに行なわなければならない。そこが日本語教師としての腕の見せ所。うまくできましたら、おなぐさみ。
で、上の質問への回答なのだが、「たら」の場合、その事が実現した場合、なんらかの変化がある、と。つまり、結婚する前には「仕事がある」のだが、もし「結婚した」ら、仕事がなくなる。変化がある。一方、「ても」の場合は、その事が実現した場合でも、変化がない。結婚する前も、後も「仕事がある」ので、同じ状態である。だから、3の文は不自然になるのです。この説明、日本語教師の仕事を始めたばかりのころ、生徒からの質問にしどろもどろになりながら、なんとかひねり出したもので、その後もずっと使っている。他の先生たちからも、どう説明すればいいかとよく聞かれるポイントなのだが、教師用参考書などでは目にしたことがない。中国語圏以外では問題にならないのかな。
ちなみに、写真は土曜日に台北から帰ってくる時の「自強号」(特急)の車内。