罵倒語の語源

北京語の罵倒語に「王八蛋(ワンパータン)」といふ言葉がある。かなり強烈なものであるらしい。昔何かの本で、この言葉の語源を読んだ記憶がある。儒教の八つの徳目(仁・義・礼・智・信・忠・悌・孝)を忘れてしまつてゐる人間のことだと書かれてゐたと思ふ。(つまり「忘八」といふこと。「忘」と「王」の発音は近い。)
先日、授業中に日本語の「馬鹿」の語源を質問された時、この「王八蛋」のことを思ひ出して、ついでに学生に確認してみた。「本当に儒教に関係がある言葉なの?」 
しかし、みんな知らないと言ふ。それどころか、「違ひますよ」と強く否定する生徒もゐた。自分の記憶もあやふやだつたので、勘違ひだつたのかとその時は思つたのだが、後で親切な生徒が調べてくれた結果、自分の記憶が正しかつたことがわかつた。母語であつても、なかなか語源までは知らないものなのですね。自分だつて「馬鹿」の語源を知つたのは、日本語教師の仕事を始めてからだものなあ。ところで、自分は何の本で「王八蛋」の語源を読んだんだらう? 
【参考】
馬鹿の語源→「語源由来辞典」
http://gogen-allguide.com/ha/baka.html
ネット上にあつた「王八蛋」の語源(日本語)→「無用知識袋・卯の巻」#95
http://zerodama.com/zatugaku/4.html