試験問題
まず、次の文を読んでみてください。
客:すみません。速達をやめて、書留にします。後いくら追加料金を払わなければいけませんか。
局員:計算してみます。少々お待ちください。
これは台湾の某国立大学の日本語の編入試験の問題です。「文の中の間違ったところを指摘し、正しい表現に直せ」と指示があります。他の問題は次のようなわかりやすいものばかり。
A:趣味は何ですか。
B:私の趣味は骨董品を集めます。→「集めることです」
A:お荷物、重たそうですね。お手伝いしませんか。→「お手伝いしましょうか」
B:すみません。お願いします。
さて、最初の郵便局での会話なのですが、自分には間違っている部分がどこなのかわかりません。
局員の発言で変えるとすれば、
- 「てみる」という補助動詞が不適当?「てみる」は「試しに」という意味になり、「このケーキを少し(○)/たくさん(×)食べてみてください」のように、使えない場合もある。が、このケースで絶対ダメだと言えるか?
客の発言では、
- 「なければいけません」を「なければなりません」に変える? 一般的な初級の教科書では、この両者は「同じだ」と教えているし、厳密な使い分けのルールはないのではないか。傾向としては、「ならない」の方が文体的に硬く、書き言葉的であるとか、
「ならない」は一般的な義務・必要性を述べる時によく使う。
- 強い薬は注意して使わなければならない。
個別の事情で生じた義務・必要性の場合は、「いけない」を使うことが多い。
- 私は明日病院へ行かなければいけない。
また、直接相手に行為を促す時(命令)は、「いけない」を使う。
- 山田さん、この本は明日までに返さなければいけませんよ。
などという使い分けの説明もできるが、「絶対こうでなければならない」というわけではない…。
自分が見落としてしまっている間違いがあるのかな…。