VCDって?

「先生!このドラマ見ましたか? 私が今まで見た中で一番おもしろいですよ」と生徒が持ってきたのが「白い巨塔」のVCD。パッケージには、唐沢寿明江口洋介の顔が。
「え? だって、これ日本で放送が終わったばかりの番組でしょ。どうして台湾にあるのよ」
「台湾には何でもありますよ。便利でしょう」・・・。
パッケージはカラーコピーだし、どう見ても海賊版。おそらく日本での放送を録画してそのままCDにコピーしたものだろう。台湾で売ってる日本製TVドラマはほとんどこのVCDという規格。大手のレンタルビデオショップにも、DVDとVCDの2種類が置いてあるから、正式に版権をとって販売しているものもあるとは思うのだけど、ほとんどは海賊版なのではなかろうか。自分が生徒から借りて見たことのあるこの手のドラマには、ニュース速報や地震速報などのテロップ入りの物もあったし、中国語字幕もかなりいい加減。自分のような素人が見てもはっきりわかる誤訳がたくさんあった。
しかし、このVCDって「商品」にしてもいいのだろうか。物によるのかもしれないけれど、画質が滅茶苦茶。初期のVHS程度*1とのことだけれど、テレビの画面で見るのは辛いと思うぞ。
ただ、値段は格安。TVドラマだとシリーズ全部が99元*2とかで買える。確か去年だったと思うけど、海賊版の取り締まりが厳しくなるというニュースが流れてた頃、夜市で人がいないVCD屋台を見かけたことがある。映画やドラマなどのVCDが台の上に並べてあり、3つで100元「お代はこちら」と賽銭箱のような小さな箱が置いてあった。その時は、これで台湾でも海賊版はなくなるのかなとも思ったのだけれど、今でも買おうと思えばいくらでも買えるようだ。
で、自分の生徒の女の子。「確かにこれ画質はよくないです。でも好きな作品はちゃんとDVDを買ってます」とのこと。「先生も見ますか。『テニスの王子様』。」

*1:http://e-words.jp/w/SVCD.html

*2:日本円にすると、320円程度。