自動詞と他動詞

tinuyama2004-04-21

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日本語における自動詞と他動詞というのは、その定義からして実ははっきりしていなくて、うかつな事を書くと自分の無知をさらけ出してしまうことにもなりかねないんですが、とりあえず簡単に書いてみます。参考になればと思います。以下、「自動詞」「他動詞」と自分が書くのは、「自他の対応がある動詞*1」に限ってのこととします。

1) 電気がつく(自動詞)。
2) 人が電気をつける(他動詞)。
まず「自動詞」とは「変化」を表す、と考えます。図を見てください。「人が電気をつけた(他動詞)」という文は、「人がスイッチを入れて、その結果、電気がついた(自動詞)」という事です。発話者が、その動作をした人を考慮に入れている場合は、他動詞文になり、「変化」だけを認識して、「人」を考慮に入れていない場合は、自動詞文になります。例えば、公園を散歩していて、突然街灯が・・・。
「あ、電気がついた(自動詞)!」
どこかで誰かが「電気をつけた」のかもしれないが、発話者が認識したのは「変化があった」ということだけ。これが、「変化がない」事を言いたい時には、「自動詞+ない」の形になります。
3) 電気をつけたいが、(電気が)つかない。故障かな?
その意志はあるが、変化がない(中国語の「打不開」)、という意味。同様に、「消したいが、消えない」「開けたいが、開かない」「変えたいが、変わらない」「見つけたいが、見つからない」など、変化がなく、以前と同じ状態が続いている、という意。
「人が財布を見つけた(他動詞)」は、「人が財布を探して、その結果、財布が見つかった(自動詞)」ということ。財布だけに焦点を当てて、考えると、「財布が見つかった」であり、人をも考慮に入れると、「(人が)財布を見つけた」になる。


で、自他の対応がない動詞、例えば「買う」等の場合、意志があっても、その行為を成し遂げられないという意味にするには、状況にもよりますが、可能動詞(可能形)を使うのはどうでしょうか。
「買いたいが、買えない」。他にも、「飲みたいが、飲めない」「食べたいが、食べられない」など。
参考までに。

*1:つく−つける、消える−消す、開く−開ける など