ひらがなに注音符号
教室の近くの居酒屋。もう営業はしてゐないやうなのですが、看板だけ残つてゐます。「にじや」に「ㄋㄧ˙ㄐㄧ˙ㄧㄚ˙」と注音符号がつけてあります。全部「軽声」になつてゐるのがおもしろい。
wikipedia:注音符号
ところで、日本語学習者がかういふことをするかといふと、全くしませんね。自分は見たことありません。ひらがなはすぐ覚えてしまひますから。あ、でもローマ字を書いてゐるのは見たことあるか。
おそろしく退屈な「研習會」
「私立短期補習班主任座談曁公共安全研習會」といふ長つたらしい名称の会合に出席。市内の塾の責任者を集めて、防火設備や授業料返還の際の規則などについて注意事項の説明があつたのだが、そのあまりの退屈さに絶句。小学校の体育館を借り、七百人以上の人間を三時間半も拘束してまでやる必要があるのかと。しかし、「この研習會に担当者が来てゐない塾には後日抜き打ちで検査に行く」とのお達しだつたので行かないわけにはいかないのだけれど。
この人口104万人の都市に、政府の認可を受けた補習班(塾)は1400もあるのださうで、その半数からは人が来てたわけだ。1400といふ数字は、所謂学習塾から、音楽教室、美術、料理、コンピューター、自動車修理など全てを含めたもので、外国語関係の塾はそのうち400ほどだといふ。日本語を教へる補習班だといくつぐらゐあるのか。自分がすぐに名前を言へるのは十ぐらゐしかないが、大手の塾の分校を別々に数へれば、三十は超えるんぢやないかな。
中文版『夕凪の街桜の国』*1
昨日台中紀伊國屋で一冊発見。中文(中国語)版、出てゐたのですね。奥付を見ると2006年1月1版1刷とあります。一年以上も前。今の今まで気づかなかつたとは、迂闊。今年の中秋節の贈り物は、この本にすることに決め、十冊追加注文しました。
ただ、ちよつと心配になつたのが、タイトル。
『夕凪之街櫻之國』
一見、日本語の題名をそのまま中文にしたやうに見えるでせうが、実は「凪」といふ「国字(日本製の漢字)」が入つてゐるため、台湾の人には読めない(発音できない)のです。教室にゐた二、三人に聞いてみましたが、読めないし、意味もわからないとのこと。「風が止む」といふ意味だと説明してみましたが、あまりぴんと来ない様子です。
それで、台湾のオンラインショップをのぞいてみたら、あら、びつくり。
夕嵐之街櫻之國
博客來書籍館>夕嵐之街櫻之國
「夕嵐」(!)。「アラシ」ですか……。日本語だと「暴風」を表すあの「アラシ」のことですか。
……と一瞬驚いたものの、辞書をひいてみて(ある程度は)納得しました。
嵐:山中的霧氣。
教育部國語辭典
他の中日辞典には以下のやうな訳も載つてゐました。
夕嵐:夕方のもや
しかし、それでもちよつと違ふと思ふんですが。まあ、ネット上だけの処置といふことなのでせうか。
それにしても、出版社の人はこの本の題名を何と「よんで」ゐるのでせう。今度聞いてみたいものです。
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この日浦木さん(id:kuonkizuna)が台中へ。
http://d.hatena.ne.jp/kuonkizuna/20070904/p1
わざわざ私の塾まで本*1を届けに来てくださつたのですが、自分は授業中だつたので、ほとんどお話しできませんでした。今度またゆつくりお会ひしたいものです。